校長のひとりごと

早くも六月衣替えである。

 早くも六月衣替えである。 初夏の陽は木々の葉を深い色へ変え、 小さな川の両岸は夏草が子供の背ほど伸びている。 川面に矢の如く燕が超低空で現れ急上昇旋回急降下をし、 白となり黒となり優雅な舞を演じている。 右先生もこの光景をみておられたことであろう。
 バイデン米国大統領が日本を訪れた。 欧州ウクライナは侵略され、 アジアでは海洋進出を企ての脅威がある。 訪問の目的はクアッドの結束確認、 強固への足固めにある。 大統領は東京横田米軍キャンプに着陸。 メディアはこぞって大統領のタラップを降りてくる画像を放送している。 歴代の大統領と少し違っていた。 皆軽やかに手を振り下りるが、 バイデン大統領の右手は手にあった。 力を借りてゆっくりと降りてきた。 年齢によるものなのか。 お疲れなのか。 帰国の際も同様であった。 この様子を見た国はどんなことを思ったのだろうか。 体力の無いとみてここにつけこみ攻勢をかけてくるやもしれない。
 山口県の小さな町で起こったことが日本中を騒がす大きなことになった。 4千6百万余りが個人の口座に誤送金された。 振り込んだ町役場の責任は当然であるが、 振り込まれた方も何の根拠もないお金をカジノで全て使い果たしたので返せないと開き直った。 それをスマホボタン操作一つで行った。 世の中は複雑で人は誤りを犯すもの。 複雑を単純化するデジタル社会が齎したものだ。 複雑なことを掘り下げないと本質は見えてこない。 キャッシュレス時代。 五円玉をしっかり握り欲しい大きなアメ玉を二つ買った遠い記憶。 子供なりにお金の価値を知っていた。

22年06月10日