校長のひとりごと

桜は葉桜となった。

 桜は葉桜となった。 周辺の木々は芽吹かせた新緑を枝に広げている。 柔らかで澄んだ葉は陽射しをハネ返す力を未だつけていない。 光をからだに留めて自らを輝かせている。 地上では今かと出番を待ち兼ねていたかのように一斉に赤白黄紫の花をつけて街路を賑わせている。 躑躅、 さつき、 ジャスミン、 フリージア、 木香バラ等が競演している。 時折鴬のセレナーデ、 雲雀の甲高い合唱が聞こえる。 美しい歌声に無粋な雉が姿の美しさに似ず訛声を浴びせている。
 ゴールデンウィークが始まった。 若い人達は旅行の計画に余念がない。 これといって何もすることのない身何処へ身を置くか毎年大きな悩みを抱えるときでもある。 道路は車で渋滞、 電車は鮨詰め、 行った先はオーバーツーリズム。 円安にもかかわらず海外遊山する人も多くいよう。 ゴロリと身を横たえてテレビを友として何もそんな所へ行くことはあるまいと冷やかに過ごしてきていた。 そうしなくてはならない。 人には様々に事情があるのであろう。 お疲れ様です。
 今年は思い切って近くの川に出てみよう。 スーパー堤防が成り、 斜面に生れたての若草を筵にして寝そべり青い空を眺め、 小鳥の声に耳を傾けてみよう。 天気がよければ遠く霊峰富士山が見えるはずである。
 原稿〆切日を過ぎ急がされて戯言となってしまらないものになってしまった。

24年05月10日