校長のひとりごと

大きな欅、 桜、 花水木、 両側にジャスミンの花。

 目黒駅から恵比寿駅に向かう目黒三田通りがある。 街路は緑豊かである。 大きな欅、 桜、 花水木、 両側にジャスミンの花は途切れることなくずっと続いている。 ジャスミンは今を盛りとばかり小さい黄色の花は零れんばかりに咲き溢れ、 芳香を放っている。 街路は甘い香りに包まれている。 香りに誘因され中国十数回の旅が一気に思い出された。 旅の目的はそれぞれあるが旅の楽しみは何といっても食にあろう。 皆一致し肯んずるところである。 中国料理は火・油・時間が大事だと思っている。 料理人はこれを上手く操り食材を活かしさっと極上絶品に仕上げる。 その味たるや絶妙なのである。 日本料理は淡白で中国料理は濃厚で対極に位置している。 あっさりとした味に慣れている日本人にとって中国料理は胃に負担となることがよくある。 まして長い旅行ならばなおのこと。 そのような時のとっておきの秘策を思い付いている。 中国料理と日本料理の折衷である。 大層なことではない。 ジャスミン茶漬にするだけのこと。 しかし、 これが何ともうまいのである。 御飯にザーサイを適当にのせ熱いジャスミン茶を注ぎこむ。 すると立ち上がる湯気からジャスミンの清やかな香りザーサイの青い匂いが湧き上がって弱った胃に活力をもたらせる。 あとは一気にシュシュシュと口の中にかき入れる。 米・ジャスミン・ザーサイが混成され素朴にして奥深さを味わうことができる。 行儀は決してよくはないが一度お試しあれ。 無為に過ごした黄金週間の付けが回ったしだい。

23年05月27日