校長のひとりごと

中国唐時代本格的書論 「書譜」 を孫過庭が著わしている。

 中国唐時代本格的書論 「書譜」 を孫過庭が著わしている。 「書譜」 は書を学ぶものにとって古来よりの必読書である。 孫過庭は冒頭で四賢をあげ優劣を論じている。 四賢とは漢の張芝、 魏の鍾、 東晋時代の王羲之、 王献之をあげている。 孫過庭は王羲之が書いた 「自論書」 を引用し論じている。 「自論書」 で王羲之は自らの楷書を鍾に比べると 「抗行」 (肩を並べる) といい、 張芝の草書と比べると 「雁行」 (少し遅れる) と評している。 孫過庭は張芝は草書に鍾は楷書に優れているとしている。 しかし、 彼等は一体専修であり羲之は張芝の草書、 鍾の楷書の佳い所をとり、 諸体に通じていて博渉多優の王羲之が一番であると結論している。 王献之については技術面でなく書の姿勢について不遜であるとして退けている。
 アメリカのワールドシリーズはアストロズが頂点に立った。 残る期待は大谷2連続のMVPとなるかである。 投手15勝。 ホームラン34本。 規定打席のクリアー2割7分3厘。 ホームランを昨年よりは少ないもののメジャーリーグ史上投手2桁、 規定打席に達している。 一方有力候補のジャッジはホームランでは大谷選手を大きく越える64本を放った。 結果、 ジャッジに軍配は上がった。 各賞受賞の名前が発表されたが大谷選手の名前は何処にも無かった。 日米のファンは更に落胆した。 彼は誰もが成し得なかったメジャー史上の大記録を成し遂げたのだ。 にも関わらずである。 いや寧ろ無冠の冠が誇らしい。 彼の大偉業は史上に燦然と輝き、 人々の胸に深く刻まれ未来永劫に語り継がれてゆくのである。

22年12月10日