校長のひとりごと

七月は文月の異称がある。

 七月になんなんとする時ペンを執っている。 七月は文月の異称がある。 文月の語源は二、 三あるが定まらない。 稲の穂が実る頃という穂ほ含ふくみ月つき。 書物を干す行事があり文を披ひらくことから文ふみ披ひろげ月づきがある。 七月の代表的行事に七夕がある。 七夕月。 織女と彦星が年一度逢うことから愛めで逢あい月づき。 そしてお盆。 先祖、 親の墓参りに行く。 故に親月。 以上太陰暦 (旧暦) での七月である。 太陽暦では八月にあたる。 旧暦から新暦への切り換えは明治五年 (一八七二) の太政官布による。 旧暦は農業と密接な関係があり農作業をする目安ともなっている。 旧暦は満月から満月を一月とし、 一月を30日と29日それぞれ6ヶ月一年は354日。 新暦は地球が太陽を周回する一年を365日。 新旧一年の差は一年で11日ないし12日となる。 この差を修正せずに続けると季節と暦が合わなくなる。 夏の時季に正月となり、 冬に暑い八月となる。 そこで19年間で7回調整し一年12ヶ月が13ヶ月となる。 これを閏月という。 例えば閏月が七月にあたる際は七月が終わったあとに閏七月とする。 閏は正統でない意味がある。 閏位となると踏む可き正しい手続きを通していない地位をいう。 現在では閏年、 閏秒などで知られている。
 新暦七月はお盆を迎えるが八月を旧盆として先祖を迎えて祭っている。 八月は日本民族大移動となる。 例年新暦では梅雨明けきらず、 湿気は多い。 真夏の太陽がギラギラと照りつけ、 蝉が騒がしい旧暦のお盆がお盆らしいと老生は呟く。

22年07月20日