校長のひとりごと

秋の気が澄んだ一日。

 秋の気が澄んだ一日。 何かをすることも無く只机に向かっている。 机に並んで書棚がある。 ここには仕事上便利に供する本を並べてある。 ふと目についた大型の辞書に手が伸びた。 両手でもって引き出した。 言葉が積めこまれずっしりとした手応え。 しかし、 調べものをするわけでもない。 特にただ意味なくページを早送りする。 次から次へ活字が飛び跳ねている。 巻末に付録の色見本が突如として現れた。 モノトーンからカラーへ鮮やかに展開。 主に日本の伝統色が載っている。 赤、 橙、 茶、 黄、 緑、 青、 紫、 白、 黒などがある。 何といっても名づけに驚かされる。 微妙な色分けに。 古代の人々は日本の自然の妙を敏感に感じ取り感性を身につけてきた。 そして、 豊かな感性は日本独得の和歌、 俳句に表されている。 言葉や文字は理性を表すのに対し、 色は感性を表す手段なのである。 窓の外に目をやると秋の風によって木々は色づけられている。 さてあの色は何の色かと。 カラーチャートをゆっくりとめくってみた。
 衆議院の選挙が十月三十一日に行われた。 自民党は解散前の議席を減らすも465議席のうちの261議席を獲得し絶対安定多数となった。 野党共闘は一部優位に立った選挙区もあるが議席を減らした党がある。 政権交代し新しい政治をうったえかけた。 宗旨が違う者どうし手を組んでも多くの理解は得られない。

21年11月17日