校長のひとりごと

ワクチンの接種券が届いた。

 ワクチンの接種券が届いた。普段年齢を意識することは無く日々を過ごしている。しかし、接種券が現実の世界へと容赦なく引き戻した。早速に予約をとった。放映されている接種の映像は斜めに針を刺すのではなく、タテに勢いよくブスリと刺す筋肉注射なのである。何とも痛そう。注射は嫌いである。日が迫るごと不安は高まっていった。当日病院へ出向く。足取りは重い。接種券、問診票を提出する。接種する人は自分以外に誰もいない。あの予約の難しさは何であったのだろう。拍子抜けして落ち着かない。診察室に入り医師から一通りの説明を受け接種となった。肩のつけ根から指三本分下がった高い位置なのである。針の痛みは全くない。ワクチンが針からグイグイと体内に注入されていることがわかる。経過観察で何事もなかったので病院をあとにする。出遅れている接種が大きく動き出したのだと実感できた。大規模会場を設け、職場、学校でも接種を行い感染抑えこみを急ぎ進めている。多くの人々が小さなチクンによって救われていく。帰る道すがらいつになく空を仰いだ。初夏の青い空が大きく広がっていた。飛行機は何処へ行くのであろう。小さな点となるまでじっと追った。緊張感からほんの少し解放された自分がいた。 ▽コロナ優等生であった台湾にコロナが猛威をふるっている。ワクチン確保に苦しむ台湾の人々に一二四万回分を提供する。私達は忘れていない。東日本大震災二〇〇億円の義援金。新型コロナ感染症に伴うマスク不足の深刻化に二〇〇万枚が送られたこと。何としても友人の役に立たねばならない。そして、更に真の友人としての絆を強くしてゆく。

21年06月09日