校長のひとりごと

住まい近くの森は萌葱色に染まりすっぽりと覆われている。

 住まい近くの森は萌葱色に染まりすっぽりと覆われている。 風は新緑に濾過され、 そよ吹き、 奥からか高く澄んだ鶯のセレナーデを聞くことができる。 目耳を娯しませてくれるよい季節となっている。
 鬱々とした日々は今だに続いている。 目下第三回目の緊急事態宣言下にある。 不自由な生活の出口が見えないでいる。 皆悶悶と鬱屈した気持を吐き出す手立てもない。 現況と向き合いどう捉え、 身を処してゆくのか。 自分自身が己に強く問い答えを出してゆかなくてはいけない。
 ゴールデンウィークは何処へ行くあては全くない。 積ん読本の背を見遣り徐に手に取り、ページを捲ることにしている。 新しい発見があるやもしれない。 窓のカーテンがフワリと揺れている。
 最近特に目立つ新発売のビールのコマーシャルがある。 夏はビールが旨いぞとばかり各社挙っての販売合戦である。 各社とも名だたる俳優を登場させアッピールしている。 グラスに注ぎこまれるビールは縦横無尽に激しく、 そしてふっくらと泡立だたせ画面いっぱいに見せている。 さすが俳優。 これは何事にもかえがたい至上の飲みものと一気に喉を鳴らして飲みこんでいく。 ビール好きにはたまらないであろう。 テレビは家族で楽しむ娯楽である。 好奇心旺盛な少年少女の目にはどう映るのであろう。 酒類の販売に規制はあるものの誰でも簡単に入手できる。 犯罪の扉を開けてしまうこともあろう。 そもそも酒に寛容な日本人。 「徳をもって酒を飽く」 自身の問題ではあるが。 少しばかり過ぎてはいやしませんか。

21年05月09日