校長のひとりごと

オリンピック・パラリンピック開催を4ヶ月後に迫るなか騒動となった

 オリンピック・パラリンピック開催を4ヶ月後に迫るなか騒動となった・組織委員会森喜朗会長が辞任した。 後任には橋本聖子五輪相が就任した。 橋本氏は夏冬のオリンピックに七回出場した輝かしいキャリアをもつ人である。 名前は一九六四年の東京オリンピックの聖火を見た父親によって命名されたという。 五輪の申し子といわれる所以である。 長い選手生活を経験し、 後に政治家として活躍している橋本氏は適任者である。 辞任劇の発端は森氏が女性蔑視発言である。 森氏が話した始終が伝わってきてはいない。 話の一部分を切り取られそこを取り上げた。 評論家、 各界の著名人を登場させて報道は過熱した。 日本は男性優位の社会で女性の社会的地位を向上させる妨げが色濃いと口を揃えている。 森氏は発言を取り消し深く反省しているにもかかわらず追求の手を休めない。 発言は決して容認することではない。 しかし、 何か重苦しい雰囲気が漂っている。 孔子は論語で 「恕」 をいっている。 相手側に立った 「思いやり」、 「許すこと」 は大事である。 社会を息苦しくしないためにも。 森氏はオリンピック・パラリンピック招致のため老体に鞭うち病と闘いながら成功に向け働いてきた。 聞くところによれば給与を返上し大会成功のために使用してきたともいわれる。 このことは決して忘れてはいけない。
 藤井聡太プロ棋士18歳。 二冠のタイトルホルダー天才棋士である。 あとほんの少しで高校を卒業できるこの時期に自主退学をした。 「なぜ」 「もったいない」 と誰しもが驚いた。 筆者もその一人である。 世の問に対して彼は冷静沈着に答えた。 「将棋に専念したい」 と。 シンプルにして奥の深い発言だ。 彼にとって将棋が人生の最大事であり、 他は小事なのであろう。 世間の価値に迎合せず自己の価値を以って理想を強力に追求してゆくのだ、 という強固な信念の表わしであったのだと私は腑に落とした。

21年03月09日